PMFのこれまでの軌跡をたどるアーカイブをご紹介します。
ラハフ・シャニ(指揮)、小曽根真(ピアノ)
ケン=デイヴィッド・マズア(指揮)
3年ぶりにアーティストやアカデミーが国外からも参加したシーズンとなった。受験者総数973人から選抜され、20の国と地域から52人のオーケストラ・アカデミー生が参加。首席指揮者ラハフ・シャニ、客演指揮者ケン=デイヴィッド・マズアが、PMFヨーロッパ、PMFアメリカの教授陣とともにアカデミー生を指導した。また、国内の主要オーケストラに所属する修了生を中心としたPMFセクションリーダーがオーケストラの一員として参加し、アカデミー生を牽引した。プログラムAのソリストには、金川真弓(ヴァイオリン)、上野通明(チェロ)、北村朋幹(ピアノ)、プログラムBのソリストには小曽根真(ピアノ)が参加した。会場の入場制限等が緩和され「PMFリンクアップ・コンサート」「ピクニックコンサート」「PMF GALAコンサート」「PMFオーケストラ東京公演」も再開したほか、「PMFアンサンブル・セレクション」など教授陣、アカデミー生による室内楽公演も多く開催し、好評を博した。
札幌、苫小牧、江別、函館、奈井江、東京にて7月16日~8月2日の会期18日間に22公演、会期直前に3公演、合計25公演を実施した。
PMFクラシックLABO「オーケストラのひみつ」
PMF教授陣によるオンライン・マスタークラス
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大の影響で開催中止となったPMF2020のオーディション合格者の中から16の国と地域・58人のアカデミー生が様々な形で参加した。引き続き海外からの移動が制限されていたため、日本国内在住のアカデミー生25人(オーケストラ・アカデミー)に加え国内で活躍する修了生、オーケストラ奏者、音大生(会期前半のみ)等からなる「PMFオーケストラJAPAN」を編成。アメリカの作曲家の作品で構成されたプログラムA(指揮:原田慶太楼)の公演は好評を博した。また、海外在住のアカデミー生を「オンライン・アカデミー」と位置づけ、欧米の教授陣がオンラインで教育指導を実施。その様子を動画で公開した。このほか、クラシック音楽の魅力にさまざまなアングルから迫る音楽講座「PMFクラシックLABO♪」の開催、欧米の教授陣がそれぞれの活動拠点で収録した演奏動画配信や、札幌コンサートホールKitaraで行われたオープニング・コンサートのライブ配信を有料化するなど、新たな試みも行った。当初、札幌、苫小牧、函館、奈井江において7月23日~8月1日までの10日間の会期中に25公演、会期直前に4公演、合計29公演を予定していたが、新型コロナウイルス感染の影響により後半のプログラムなどを取りやめ、合計16公演の実施となった。
PMF Connectsロゴ
PMF Connects LIVE!大通公園
PMF2020は、芸術監督ゲルギエフ就任6年間の集大成としてモーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』をフルプロダクションで上演するなど約40公演の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響で、創設以来初の中止を余儀なくされ(4月3日)、受験者総数1,212人から選抜された22の国と地域のアカデミー生72人は、PMF2021に改めて招待することとなった。PMF組織委員会では、困難な時こそ音楽の力で人々に勇気や希望を見出してほしいとの思いから、各種代替イベントを企画。PMF教授陣・修了生らの演奏・メッセージ動画を集めオンラインで公開する「PMF Connects(コネクツ)」プロジェクトの始動(4月20日)を皮切りに、音楽祭を行う予定であった7月10日から8月3日の25日間、オンラインでPMFの魅力を感じていただく「PMF Connects ~2020 Summer Festival~」を開催し、87カ国・地域から約25万件のアクセスを得た(2020年末時点)。さらに、国内の感染状況が比較的落ち着いた秋口からは、感染予防策を施したうえで安心・安全に演奏をお楽しみいただく「PMF Connects LIVE!」シリーズでライブコンサートを再開(9月5日)し、2021年3月までに札幌市内各所で16公演(うち中止3公演)を企画、開催した。運営面では、外部の有識者で構成される検討委員会が、これまでの成果を検証し今後の事業の方向性を示す「PMF将来ビジョン2020」を策定し、提言書を公表した(10月5日)。