1999年ブダペスト生まれ。6歳からチェロを始める。2015年からウィーン国立音楽大学の予科でロベルト・ノージュに学び、2017年からは同大学の本科生としてペーテル・ソモダリ、イシュトヴァーン・ヴァルダイの両氏に師事。マスタークラスにも積極的に参加し、ラースロー・メゾーやジョナサン・コーエンなどのもとで研鑽を積む。
近年はダーヴィト・ポッパー国際チェロコンクール(ハンガリー)やTALENTS for EUROPE(スロバキア)ほかヨーロッパで開催された5つのコンクールで1位を受賞している。2021年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団オーケストラ・アカデミーで学ぶ2年間の奨学金を獲得。同年ウィーン交響楽団の首席チェロ奏者に就任した。
2011年と2014年の2回、PMFに参加してからオーケストラで働きたいという想いが強くなり、2020年9月にリヨン国立歌劇場管弦楽団(Opéra de Lyon)に入団し、1年間のトライアルを終えて正団員になりました。
この1年を通して、いかに人々に音楽の素晴らしさ、楽しさ、感情が豊かになるのかを伝えていくことが大切だと思いました。それは初めてPMFに行った時にも感じたことで、音楽家を目指している人にPMFという素晴らしいオーケストラ教育のシステムがあることを知ってもらいたい気持ちが強くなりました。
PMF2005、2006、2007の3回にわたり、私はオーケストラの一員として、信じられないほど素晴らしく、一生忘れられない経験をしました。個人的に最も印象に残っているのは、ペーター・シュミードル氏からクラリネットの指導を受け、ウィーン・フィルの木管首席奏者の先生たちと一緒にモーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調 K. 361「グラン・パルティータ」を演奏したことです。
PMFに参加したことがきっかけでウィーン留学を決めました。PMFに参加していなければ、ヨーロッパに来ることはともかく、私の人生は大きく違っていたことは間違いありません。また、音楽祭で知り合った仲間達とMFP(Music for Friendship and Peace)を結成し、一緒に演奏することは今でも大きな喜びのひとつです。