30代にしてアジアにとどまらず各国で活躍中の香港出身の指揮者、ウィルソン・ウン。2015年のPMFアカデミーでも学んだウンが、ホストシティ・オーケストラ(札幌交響楽団)の客演指揮者として登場。前半はPMFアメリカ教授をつとめるロサンゼルス・フィルの首席ホルン奏者、アンドリュー・ベインのソロで、細川俊夫のホルン協奏曲「開花の時」を。幽玄な時が流れるような作品です。メインは名曲中の名曲、チャイコフスキー「悲愴」。その尽きない魅力を、俊英と札響が明らかにしてくれるでしょう。
文:林昌英(音楽ライター)