「真に卓越した演奏技術、活力そして強さを兼ね備えた一流のアーティスト」(シカゴ・トリビューン紙)と評される五明佳廉は、深く叙情的かつ温かみのある演奏で聴衆を魅了し、その心に記憶を刻む稀有な能力の持ち主である。完璧な技巧と優雅な表現力を持つ現代の優れたヴァイオリニストの一人。
シカゴ交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、アイルランド国立交響楽団、KBS交響楽団へのデビュー、モーツァルテウム管弦楽団、グルベンキアン管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニック、ダラス交響楽団、東京都交響楽団と再共演し大成功をおさめた2023/24シーズンに引き続き、シンガポール交響楽団、メルボルン交響楽団、シドニー交響楽団、タスマニア交響楽団、西オーストラリア交響楽団など、南太平洋地域へのツアーを行っている。24/25シーズンは、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団、RAI国立交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団で待望のデビューを飾るほか、インディアナポリス交響楽団、ボルティモア交響楽団、コロラド交響楽団、カンザス・シティ交響楽団、そしてカナダではモントリオール交響楽団、トロント交響楽団、国立芸術センター管弦楽団、カルガリー・フィルハーモニー管弦楽団と再共演する。
近年のハイライトとしては、ニューヨーク・フィルハーモニック、ピッツバーグ交響楽団、スペイン国立管弦楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、サンタ・チェチーリア国立アカデミアへのデビューのほか、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、ケルンWDR交響楽団と再共演を果たした。
室内楽にも熱心で、これまでにオッリ・ムストネン、レイフ・オヴェ・アンスネス、エンリコ・パーチェ、ジェイムズ・エーネス、ノア・ベンディックス=バルグリー、樫本大進、エマニュエル・パユ、ユリアン・シュテッケル、故ハインリヒ・シフ、メゾソプラノのスーザン・グラハムらと共演し、ギタリストのイスモ・エスケリネンとはBISレコードでデュオアルバム『謝肉祭』を録音した。
アストル・ピアソラのヌエヴォ・タンゴ(新しいタンゴ)の作品の名手でもあり、ピアソラの長年のピアニストでタンゴ界の巨匠パブロ・シーグレル、バンドネオン奏者のエクトル・デル・クルト、フアン・パブロ・ジョフレ、マルセロ・ニシンマンと共演してきた。21年には、フランス国立ロワール管弦楽団の弦セクション、ギタリストのステファニー・ジョーンズと録音した『ピアソラ三部作』(BISレコード)をリリースした。
熱心に新作を委嘱することでも知られ、サミー・ムーサのヴァイオリン協奏曲「アドラーノ」をピッツバーグ交響楽団と、マティアス・ピンチャーの協奏曲第2番「Mar’eh」を作曲家自身の指揮によりワシントン・ナショナル交響楽団と、 シー・ワンのヴァイオリン、トランペットと管弦楽のための協奏曲「YEAR 2020」をダラス交響楽団、トランペット奏者のティーネ・ティング・ヘルセットとファビオ・ルイジの指揮により米国初演。18年には、シカゴ交響楽団の「ミュージックナウ」シリーズの20周年を記念する委嘱作品として、五明のために書かれたサミュエル・アダムズの「室内協奏曲」をシカゴ交響楽団のメンバーとエサ=ペッカ・サロネンとの共演にて世界初演した。
東京生まれ。モントリオールとニューヨークで音楽のキャリアを始め、ジュリアード音楽院で伝説的な指導者ドロシー・ディレイに学び、その後インディアナ大学ジェイコブズ音楽院とニューイングランド音楽院でそれぞれマウリツィオ・フックス、ドナルド・ワイラースタインに学んだ。初期の頃にはウィーンにて、ハインリヒ・シフの指導を受けた。NHKで制作されNHKワールドで世界中に放送された、アントニオ・ストラディヴァリについてのドキュメンタリー「至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎」では、ヴァイオリニスト、司会、ナレーターとして出演した。
PMFには初めての参加。