オランダ放送フィルハーモニー首席指揮者(RFO)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者。卓越した解釈と技術、感情に訴えかける演奏は世界的に高く評価されており、世界中の一流音楽団体から歓迎されている。 
RFOの首席指揮者として、アムステルダムのコンセルトヘボウおよびユトレヒトのティボリフレイデンブールを舞台に、過去の名曲と並行して現代作曲家たちの新たな楽曲など、多様なプログラムに取り組んでいる。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とは、モーツァルトからサーリアホまで幅広いレパートリーに取り組み、年に一度コンサートツアーを行っている。
2024/25シーズンは、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とドレスデン・シュターツカペレ管弦楽団へのデビュー、ニューヨーク・フィルハーモニック、シカゴ交響楽団、ワシントン・ナショナル交響楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、パリ管弦楽団と再共演する。
シャンゼリゼ劇場では、レ・シエクルがピットに入るプーランク「カルメル会修道女の対話」を指揮する。RFOとはコンセルトヘボウで毎シーズン少なくとも一つコンサート形式によるオペラを演奏しており、24/25シーズンは、「死者の家から」「カーチャ・カバノヴァー」「利口な女狐の物語」「マクロプロス事件」など、過去3シーズンにわたり披露してきたヤナーチェクの作品とともにオペラ・サイクルを完成させる。ワーグナーの作品はこれまでに「トリスタンとイゾルデ」「ワルキューレ」「ジークフリート」全幕を手がけてきた。昨夏はR. シュトラウス「ばらの騎士」でサンタフェ・オペラにデビューしたほか、過去のシーズンにもチャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」「フィガロの結婚」など幅広いオペラの名作に取り組んできた。
23年には、RFOとペンタトーンによる複数アルバムのコラボレーションを始め、デビュー・アルバムの「バルトーク:管弦楽のための協奏曲/4つの管弦楽小品」はグラミー賞にノミネートされた。25年2月にはセカンド・アルバムとなる「バルトーク:青ひげ公の城」をリリース予定。また、RFOと共にアップル・ミュージック・クラシックの立ち上げにフィーチャリング・アーティストとして参加し、アリス=紗良・オットとベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」を録音した。
16年にサー・ゲオルグ・ショルティ指揮者賞を受賞して以来、世界有数のオーケストラと親密な関係を築いてきた。ヨーロッパでは、バイエルン放送響、パリ管、ウィーン響、ミュンヘン・フィルと定期的に共演している。アメリカでもボストン響、シカゴ響、サンフランシスコ響、ロサンゼルス・フィル、クリーヴランド管、フィラデルフィア管と共演を重ねている。19年から23年までベルリン放送交響楽団の首席客演指揮者をつとめ、23/24シーズンはウィーン楽友協会でレジデント・アーティストをつとめた。これまでに、オーストラリア・ツアーも行っている。25年7月には東京都交響楽団、つづいてPMFで日本デビューを果たす。
すでにヴァイオリンの名手として多くに知られていたベルリン・フィルハーモニーのオーケストラ・アカデミー時代、サー・サイモン・ラトルに指揮を続けるよう勧められた。指揮に専念するまでの数年間はソリスト、ゲストコンサートマスター、室内楽奏者として活動し、マールボロ音楽祭にも長年参加した。
ニューヨーク出身。現在は夫、二人の子どもとオランダに在住。PMFには12年にコンダクティング・アカデミー生として参加。25年には客演指揮者として初めてPMFに登場する。