アメリカ・ロサンゼルス出身の指揮者ライアン・バンクロフトは、急速に国際的なキャリアを積み上げており、世界中の名門オーケストラから歓迎されている。2021年からBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団の首席指揮者をつとめ、23年にはロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。フィンランドにてタピオラ・シンフォニエッタのアーティスト・イン・アソシエーションもつとめている。
18年にニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝して以降、BBC交響楽団、バーミンガム市交響楽団、スウェーデン放送交響楽団、デンマーク国立交響楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、RAI国立交響楽団など数々のヨーロッパの一流オーケストラと共演している。
25/26シーズンはクララ=ジュミ・カンをソリストにロンドン交響楽団へデビュー。日本ではトーマス・ハンプソンを迎えNHK交響楽団へデビューしたほか、フィルハーモニア管弦楽団、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団と再び共演。近年はベルリン・ドイツ交響楽団、フィンランド放送交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、カスティーリャ・イ・レオン交響楽団に客演してきた。
23年8月、ハリウッド・ボウルにてロサンゼルス・フィルハーモニックへのデビューを果たし、故郷に凱旋した。25/26シーズンは、近年のボストン交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団、ダラス交響楽団に続き、セントルイス交響楽団、ヒューストン交響楽団、ニューワールド交響楽団とも初共演する。カナダでもトロント交響楽団、カナディアン・ナショナル・アーツ・センター管弦楽団と親密な関係を築いている。
現代音楽にも熱心で、これまでにアンサンブル・アンテルコンタンポラン、アムステルダムで人気のニュー・アンサンブル、ピエール・ブーレーズ「シュル・アンシーズ」のロサンゼルス公演、ソフィア・グバイドゥーリナ、ジョン・ケージ、ジェームズ・テニー、アン・ルバロンの初演作品のほか、ワダダ・レオ・スミスやチャーリー・ヘイデンなどの即興演奏家とも密接に活動してきた。
23年、ストックホルムでスヴェン=ダーヴィド・サンドストレム「ハイ・ミサ」により首席指揮者の任期を始めた後、最初の2シーズンではマーラーとブルックナーの交響曲と並行してクリカン・ラーションとツァハリアス・ウルフの世界初演のほか、エマニュエル・アックス、レイフ・オヴェ・アンスネス、マキシム・ヴェンゲーロフ、ヴィキングル・オラフソンなど名立たるソリストと共演。25/26シーズンは、アラン・ペッテション、テボゴ・モンナクゴトラ、マグヌス・リンドベルイなど現代音楽の有名な作曲家との連携を継続するほか、プロコフィエフ、ベルリオーズ、ショスタコーヴィチなどクラシックの名作にも取り組んでいる。
カリフォルニア芸術大学でトランペットを学んだ後、英国王立スコットランド音楽院で指揮科修士課程に進み、在学中はトランペット奏者としてBBCスコティッシュ交響楽団と多数共演した。その後、アムステルダム音楽院とハーグ王立音楽院を修了。これまでにエドワード・キャロル、ケネス・モンゴメリー、エト・スパンヤールト、ジャック・ファン・ステーンに師事。
PMFには初めての参加。