ドイツ・シレジア地方の都市ブレスラウ(現ポーランド・ヴロツワフ)に生まれ、ピアノをエリーザ・ハンセン教授に師事、青年時代数々のコンクールに入賞。1965年クララ・ハスキル国際コンクールで優勝、ソリストとしてのキャリアの原点となった。以来、世界各地のコンサートホール、オーケストラから招かれる中でジョージ・セルと出会いクリーヴランド管弦楽団の演奏旅行のソリストに任命される。さらにヘルベルト・フォン・カラヤンとも数々の共演を重ねた。ハンブルクで指揮の勉強を修了、そして二人のマエストロとの出会いの影響は彼を自然に指揮者への道へと導いた。72年に指揮活動を開始、75年にサンフランシスコ交響楽団でデビューを飾った。
エッシェンバッハは今や、ヨーロッパおよびアメリカの全ての一流オーケストラを指揮している。これまでチューリヒ・トーンハレ管音楽監督、ヒューストン響首席指揮者、ハンブルク北ドイツ放送響首席指揮者、パリ管首席指揮者、フィラデルフィア管音楽監督、ワシントン・ナショナル響音楽監督を歴任。2019/20年シーズンからベルリン・コンツェルトハウス管の首席指揮者に就任することが発表された。
78年に初めてオペラを指揮して以来、エッシェンバッハは世界の主要歌劇場に定期的に招かれている。ヒューストン・グランド・オペラでの数々のプロダクションをはじめコヴェントガーデン、バスティーユ、シャトレ座、メトロポリタン、シカゴ・リリック、バイロイト、ザルツブルク、そしてウィーン国立歌劇場でモーツァルトからワーグナー、R. シュトラウス、そしてヒンデミットまで幅広いレパートリーを指揮している。 ザルツブルク、バイロイト、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン、タングルウッド、ハリウッド・ボウルなど欧米の著名音楽祭にも頻繁に招かれている。ラヴィニア音楽祭音楽監督、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭芸術監督もつとめた。
メジャー・レコード・レーベル各社との協力のもと、エッシェンバッハは指揮者として、またピアニストとして多数のレコーディングを行っている。 これまでフランスのレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ、芸術文化勲章コマンドゥール、ドイツの国家功労勲章、エルンスト・フォン・ジーメンス賞等を受賞している。
PMFでは、90年、バーンスタイン逝去後、マイケル・ティルソン・トーマスとともに芸術監督を引き継ぎ、91年、93年から98年まで芸術監督として創成期のPMFを支えた。その後、09年にPMFの20回を記念して世界各国で活躍するPMF修了生で編成したPMFアニバーサリー・オーケストラを指揮し、バーンスタインが第1回で演奏したシューマンの交響曲第2番を演奏した。今回で9回目の参加となる。

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