モスクワ生まれ。父(同じくアレクサンドル・ヴェデルニコフ)はかつてのボリショイ劇場の高名なバス歌手である。モスクワ音楽院を卒業後、1988年から2年間スタニフラフスキー&ミネロヴィチ・ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場で指揮者として所属。また88~95年までチャイコフスキー交響楽団にて、アシスタントから第二指揮者まで昇進。95年ロシア・フィルハーモニー交響楽団を設立、芸術監督および首席指揮者に就任(2004年まで)。ロシア若手指揮者の中でも特に注目される存在となる。01年に伝統あるボリショイ劇場の音楽監督および首席指揮者に37歳の若さで就任すると、退任の09年までに、上演の改革を推し進め、短期間で高い評価を得ることに成功した。09年から18年まで、デンマーク・オーデンセ交響楽団首席指揮者をつとめ、現在は同団の名誉指揮者。更に18年9月から、デンマーク王立歌劇場の首席指揮者に就任。19年2月には、サンクトペテルブルクのミハイロフスキー劇場の音楽監督・首席指揮者に就任している。 客演活動は非常に多く、パリ管弦楽団、BBC交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団など、各地の主要オーケストラを指揮している。オペラではミラノ・スカラ座をはじめ、フェニーチェ、フィレンツェ、ボローニャ、トリノ、ローマのイタリア主要オペラ劇場を指揮しており、05年にはパリ・オペラ座にも登場している。近年ではベルリン・コーミッシェ・オーパー、メトロポリタン歌劇場、チューリヒ歌劇場、フランクフルト歌劇場、デンマーク国立歌劇場などに客演している。日本においては、93年に東京フィルハーモニー交響楽団に客演。02年・04年にはロシア・フィルハーモニー交響楽団を率いて来日公演を行う。09年には、ボリショイ劇場の来日公演を成功に導き大きな話題となったほか、代役として急遽NHK交響楽団の演奏会に初登壇し演奏会を成功に導き、以降4度客演している。13年には東京二期会公演のヴェルディ「マクベス」で日本のオペラ団体との初めての共演を果たし、東京交響楽団にも客演。東京交響楽団へは17年も再度客演している。兵庫PACオーケストラへの客演など、日本においてもその手腕が高く評価されている。
PMFには、2013年に客演指揮者として参加して以降、2回目の参加。