ニキーチンは世界中の名立たる劇場に出演し、オペラの祭典に参加している。
2002年、アンドレイ・コンチャロフスキー制作の「戦争と平和」(ドロホフ)でメトロポリタン歌劇場にデビュー。その後、「ラ・ボエーム」(コッリーネ)、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ポグナー)、「ラインの黄金」(ファーゾルト)、「エレクトラ」(オレスト)、「パルジファル」(クリングゾール)に出演。
03年、シャトレ座でパリデビュー(ルービンシュタインの名を冠したオペラの悪魔役)。パリ国立オペラでは、ヨカナーン(サロメ)、クリングゾール(パルジファル)、トムスキー伯爵(スペードの女王)、グンター(神々の黄昏)、オレスト(エレクトラ)の役を演じた。08年には同劇場でルイージ・ダラピッコラのオペラ「イル・プリギオニール」のタイトルロールである囚人役として初めて歌い、マリインスキー劇場(2015年)でのロシア初演にも出演した。
08年、ニキーチンはバイエルン国立歌劇場に「サロメ」のヨカナーンでデビューの後、「さまよえるオランダ人」のオランダ人、「パルジファル」のクリングゾール、「ローエングリン」のテラマンドなど、定期的に出演。新演出の「炎の天使」(バリー・コスキー演出)にもルプレヒトとして出演。
2015-16年は、ウィーン国立歌劇場でデビューし、「ホヴァンシチナ」(シャクロヴィートゥイ)、「トスカ」(スカルピア)、「フィデリオ」(ドン・ピツァロ)に出演。コンセルトヘボウ管弦楽団との初共演では、コンサート形式による「ローエングリン」(マーク・エルダー指揮、テルラムント)、「フィデリオ」に出演し、ウィーン芸術週間デビュー。
2016-17年は、メトロポリタン歌劇場での「トリスタンとイゾルデ」の一連のプレミア公演にクルヴェナールとして出演し、マリインスキー劇場では「サロメ」の新演出に出演した。
今シーズンはサン・カルロ劇場で「フィデリオ」に、メトロポリタン歌劇場、パリ国立オペラ、バーデン・バーデン祝祭劇場では「パルジファル」に出演。マリインスキー劇場で収録した「ボリス・ゴドゥノフ」と「セミョーン・コトコ」に出演している。また、マリインスキー・レーベルの「エディプス王」(クレオン)、「セミョーン・コトコ」(レメニュク)、「ラインの黄金」(ファーゾルト)、パルジファル(アンフォルタス)にも出演している。ワレリー・ゲルギエフ指揮、ロンドン交響楽団とはマーラー:交響曲第8番やベルリオーズの「ロメオとジュリエット」、またマルク・ミンコフスキ指揮、ルーヴル宮音楽隊とは「さまよえるオランダ人」を録音。
15年、ニキーチン初のソロCD、ワーグナー「オペラ・アリアス」をリリース。「ローエングリン」「タンホイザー」「さまよえるオランダ人」「ワルキューレ」(クリスティアン・アルミンク指揮、リエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団)が収録されている。
PMFには初めての参加。