アメリカ人指揮者のクリスチャン・ナップは、ニューイングランド音楽院(ボストン)でピアノを、タフツ大学で哲学を学び、そのいずれでも学士号を取得した。キジアーナ音楽院でユーリ・テミルカーノフとチョン・ミョンフンに、その後、サンクトペテルブルク音楽院で、指揮科の長老、イリヤ・ムーシン、およびレオニード・コルチマールに指揮を学んだ。
指揮者としてのキャリアは、2000年にロンドンのブルームヒル・エクスペリメンタル・オペラで始まり、同オペラが南アフリカに系列カンパニーを創設する際には積極的にそのサポートを行った。これまでにイングリッシュ・ナショナル・オペラ、シアトル・オペラ、ロサンゼルス・フィルハーモニック、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、リトアニア国立交響楽団、シアトル交響楽団、ボルティモア交響楽団、ヒューストン交響楽団、インディアナポリス交響楽団他多数と共演している。
ナップは現代音楽にも熱心に取り組んでいる。そのレパートリーには、ピエール・ブーレーズ、ジョン・アダムス、ジョージ・クラム、カイヤ・サーリアホ、ジェルジュ・リゲティ、パスカル・デュサパン、カールハインツ・シュトックハウゼンを始め、20世紀と21世紀の作曲家作品が含まれている。05年にはアメリカ人作曲家、ポール・ドレッシャーのオペラ「独裁者」の初演を指揮した。また、ニューヨークのインターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル(ICE)を始めとする若手演奏者たちとの共演もたびたび行っている。06年には同アンサンブルとの共演で、マグヌス・リンドベルイの「ゾナ」のアメリカ初演を、ニューヨークのモーストリー・モーツァルト音楽祭で指揮した。11年2月にはR. シュトラウスのオペラ「エレクトラ」でマリインスキー劇場にデビューした。2016/17年シーズンには、「シチリア島の夕べの祈り」「シモン・ボッカネグラ」「ドン・カルロ」「アイーダ」「カルメン」「サロメ」「夜鳴き鶯」「白痴」といったオペラや、管弦楽曲のコンサートを指揮した。PMFには2018年に続き、2回目の参加。

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