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PMF Founded by Leonard Bernstein PMF MUSIC PARTNER
2025年2月 - vol. 117
 
PMF2025 第35回 パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌 7月9日(水)〜 7月29日(火)
皆様のご支援でPMFは35周年を迎えます。PMFの2つの宝物
THE PMF Experience PMFエクスペリエンス 音楽を続ける力になる出会いと体験/THE PMF CYCLE PMFサイクル 人と音楽と情熱の 好循環
 

PMFには2つの宝物があります。
ひとつは、レナード・バーンスタインから受け継いだ情熱と想いです。20世紀を代表する偉大な指揮者で作曲家だった彼は、残りの人生を若手音楽家の教育に捧げ、音楽教育を通じて世界の平和に貢献したいと願い、PMFを創設しました。ところが、PMF1990の閉幕3ヵ月後にこの世を去ります。2回目以降、PMFに彼の姿はありません。でも、私たちは「PMFエクスペリエンス」という唯一無二の宝物を受け取りました。
PMFで生涯の友と出会い、向上心を響かせながら音楽をつくる。国際教育音楽祭PMFのエッセンスです。国や言葉は違っても心は音楽で結ばれます。この「音楽を続ける力になる出会いと体験」は、PMFがアカデミー生たちに贈る無限の感動、無限のつながりです。そして、35年を振り返った今、この「PMFエクスペリエンス」はPMFそのものを続ける力でもありました。バーンスタインの情熱と想いはタイムレス。彼とPMFは“運命の赤い糸”で結ばれています。

もうひとつは、創設から現在までPMFの継続をご支援いただいたスポンサー企業や団体、自治体をはじめ多くの方々とともに築き上げた、人と音楽と情熱の好循環「PMFサイクル」です。
四半世紀という長い間、PMFを黎明期から支えてくださった企業や団体の皆様、今年で10周年となる現在のPMFメインスポンサー各社の皆様、PMFフレンズをはじめ多くのファンの皆様のおかげで、この夏、35周年を迎えることができます。心から感謝を申し上げます。

PMF2025 出演アーティスト
 
 
PMFオーケストラ(PMF2025のメンバーは審査中)/札幌交響楽団<PMFホストシティ・オーケストラ> (12人のPMF修了生が活躍中)

今年は6人の修了生が指揮者や教授としてPMF2025に参加します。7月9日のオープニング・ナイトに登場するのは、客演指揮者のカリーナ・カネラキス。PMF2012のコンダクティング・アカデミー生です。
ベルリン・フィルのオーケストラ・アカデミーでヴァイオリンを弾いているところをサイモン・ラトルに見いだされて指揮を志すように。才能と情熱でキャリアを切り拓き、ノーベル賞授賞式のコンサート(2018年)とBBCプロムスのファーストナイト(2019年)を指揮した最初の女性となりました。
飛躍を遂げ、ふたたびPMFの舞台に戻ってくる修了生たちの活躍にどうぞご期待ください!

 
PMFの35回を記念し、修了生で特別編成する室内オケ「PMFホームカミング・オーケストラ」も出演します。どうぞお楽しみに!
 
 
 

クラシック音楽の未来を創りたい
PMF2025
オフィシャル・サポートのお願い

1990年から2024年までにPMFで学んだアカデミー生は世界79ヵ国・地域から延べ3,843人。現在、修了生は200を超える各国・地域のオーケストラで活躍しています。
次に示すのはPMFアカデミー生の出身国・地域と、国連が2020年に推計した世界各国の平均年齢の抜粋データを併記した世界地図です。

PMFアカデミー生の出身国・地域(1990年〜2024年)と 世界各国の平均年齢(2020年)/地図をクリックすると、国/地域別の参加人数と 所属オーケストラの情報をご覧いただけます。

この地図から主に3つのことがわかります。(1)PMFが環太平洋地域の若い音楽家たちの間でしっかりと認知されていること。(2)人材の育成を通じて、これらの国や地域の音楽文化に貢献してきたこと。(3)著しい日本の少子高齢化です。
オーディションの受験資格は満18歳以上29歳以下の音楽家で、合格者の平均年齢は毎年23〜24歳となっています。国連の推計によると日本国民の平均年齢は48.36歳です(世界全体の平均年齢は30.6歳)。CIA(アメリカ中央情報局)の最新の調査では49.9歳という数字も。今の日本にPMFアカデミー生と同年代である30歳未満の若者は4人に1人(約26%)程度しかいません。クラシック音楽の本場、ヨーロッパ諸国も平均年齢の大半は40代です。

クラシック音楽が盛んな先進国を中心に、少子高齢化で人口減少が見込まれるなか、次代を担う音楽家の存在は貴重で、今後ますます求められると予測します。
PMFは国際教育音楽祭という立場から、日本と世界の音楽文化の発展に貢献するため、「PMFエクスペリエンス」と「PMFサイクル」という財産を活かしながら、才能あふれる音楽家という宝をクラシック音楽の未来に届けたいと考えています。
今の目標は毎年PMFを開催し、未来につなげること。しかし、財政状況は厳しく、企業や団体、国や自治体だけではなく、個人の皆様からのご支援も必要なフェーズです。ご寄付は税控除の対象で、1口1,000円から承ります(口数に上限なし)。全額をPMF2025に参加するアカデミー生のために使わせていただきます。
PMFで次代を担う若手音楽家を育て、クラシック音楽の未来を創るために、個人の皆様のあたたかいご支援をお願い申し上げます。

PMFオフィシャル・サポートに10口(10,000円)以上のご支援をいただいた方は、5月にPMF2025のチケットを最優先でご購入できます。PMFフレンズの方は最優先予約でご購入の際、15%割引やチケット送料無料などの会員特典が適用されます。
 
 
 
新・バーンスタイン音楽の旅

音楽評論家の山田治生さんによる「音楽の旅」は6回目です。
現在、大雪に見舞われている白い札幌。1990年の今頃、6月26日の開幕に向けてバーンスタインは何を想い、何をしていたのでしょうか。
第1回のPMF1990では、約900人から選抜された世界18ヵ国・地域出身の若手音楽家123人で初のPMFオーケストラが結成されました。「太平洋作曲家会議」やロンドン交響楽団との合同演奏による「横浜アリーナ特別公演」なども開催された記念すべきPMFの幕開けです。
初代芸術監督としてバーンスタインがアカデミー生たちを自ら指導した曲はシューマン。PMFオーケストラの歴史はシューマンから始まりました。

お願い

音源は無料試聴サービス(各トラック冒頭30秒・連続最大15分まで)です。機種や環境によっては、ご利用いただけない場合があります。あらかじめご了承ください。
制限なしで楽曲を楽しみたい方には、有料の会員登録(月額2,035円)をおすすめします。

Journey 6

バーンスタインのシューマン

A favorite 心に響き、残る、本命の1曲
シューマン 交響曲 第2番 ハ長調 作品61/レナード・バーンスタイン(指揮) ニューヨーク・スタジアム交響楽団 楽曲分析 レナード・バーンスタイン(ナレーション)

最晩年のバーンスタインが、1990年のPMFでシューマンの交響曲第2番を取り上げたように、バーンスタインにとってシューマンは特別な作曲家であった。1943年の代役でのセンセーショナルなニューヨーク・フィル・デビューでシューマンの「マンフレッド」序曲を振ったのは、もともとワルターが振る予定だったプログラムに入っていたからではあるが、早くも1953年には、ニューヨーク・スタジアム交響楽団を指揮して、シューマンの交響曲第2番を録音している。その後、1960年にニューヨーク・フィルとシューマンの交響曲全集を録音。そして、1984年から1985年にかけて、ウィーン・フィルとも交響曲全集を録音した。
1953年にニューヨーク・スタジアム響と録音したシューマンの交響曲第2番については、その音源を使って、自らナレーションを務めた「楽曲分析」の録音も聴くことができる。ここで説明されているのは、シューマンの管弦楽法の素晴らしさ、ユニークさ。今でこそ、クラシック音楽の作品はオリジナルな楽譜が重んじられているが、20世紀の前半は、指揮者が勝手にオーケストレーションを変えてしまうことは日常的で、「オーケストレーションに難がある」と決めつけられていたシューマンの交響曲などは、マーラーが全曲を編曲し直したりもしていた。だからこそ、バーンスタインは敢えてシューマンのオーケストレーションの魅力について語ろうとしたのだろう。
例えば、第1楽章冒頭の金管楽器の使い方について「素晴らしい抒情性や静かな神秘性を獲得していて、単なるトランペットの音ではなく、あたかも宇宙の果てから来たような音」と述べる。そしてシューマンのオーケストレーションについて、「古典的な観点からすると、こんなに教科書通りではないオーケストラの扱いは見当たりません」という。
そして最大の聴きどころとして、第3楽章の48小節目(全曲盤の4分18秒あたり)からを解説する。
「そして間違いなく最も恍惚とするような音楽のクライマックスの一つが訪れます。メロディがこれ以上届かない高さまで舞い上がり、それがトリルとなって長く下降していきます。この偉大なクライマックスが、弦、ホルン、クラリネット、ファゴットという、とても控え目な楽器編成によって達成されていることに注目してください。それらだけなのです。そのシンプルなオーケストレーションは奇跡的です。そして、この地上から舞い上がっているようなトリルの下では、木管のソロが地上に戻り、悲しげに、まるで偉大なプリマ・ドンナのたいへんなカデンツァのように歌います。それは自由で瞑想的で純粋な歌です。なんと美しく、なんとシンプル。それなのになんと独創的で感動的なオーケストレーションなのでしょう」
35歳のバーンスタインは、このニューヨーク・スタジアム響との録音で、じっくりと第3楽章を歌い上げている(11分53秒ほどかかっている。それでも、32年後に録音したウィーン・フィルとの演奏よりは2分ほど速いのではあるが)。

Variations おすすめ4選を解説!SNS投稿で
百戦錬磨の匠が奏でる“140字の芸術”
シューマン 交響曲 第1番 変ロ長調 作品38「春」/レナード・バーンスタイン(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
写真:山田治生さん 第1楽章序奏でのゆったりとしたテンポのスケールの大きな音楽と主部での快速テンポの躍動的な音楽とのコントラストの妙。ウィーン・フィルらしい自発的な演奏が素晴らしい。ウィーン・フィルのフルート、オーボエ、ウィンナ・ホルンをはじめとする金管楽器の素朴な音色に、作品にふさわしい野趣を感じる。
シューマン 交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」/レナード・バーンスタイン(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/シール風デザイン(PMF2025演奏プログラム)
写真:山田治生さん 交響曲第3番「ライン」は、シューマンが、デュッセルドルフ市の音楽監督に就任し、ケルンの大聖堂やライン河畔での生活からインスピレーションを得たといわれる作品。バーンスタインらしい躍動的で熱い演奏。金管楽器の開放的な鳴らし方が気持ち良い。ウィーン・フィルの一体感が素晴らしい。
シューマン 交響曲 第4番 ニ短調 作品120/レナード・バーンスタイン(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
写真:山田治生さん シューマンにとって2番目に書かれた交響曲であるが、初演が芳しくなく、10年後に改訂し、それを出版したために、「第4番」となった。バーンスタイン&ウィーン・フィルはスケールが大きく、力感あふれる演奏。と同時に微妙なテンポの変化が素晴らしい。第4楽章コーダのスピード感には圧倒される。
シューマン チェロ協奏曲 イ短調 作品129/レナード・バーンスタイン(指揮)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)フランス国立管弦楽団/PMF2025演奏プログラム
写真:山田治生さん 1976年録音。当時、世界最高のチェリストであった、ロストロポーヴィチとのチェロ協奏曲。ロストロポーヴィチが雄弁で風格のある演奏を繰り広げ、バーンスタインが情熱的にサポートしている。バーンスタインはロストロポーヴィチと親交があり、彼のために政治的序曲「スラヴァ!」を作曲している。
写真:山田治生さん 山田 治生Haruo Yamada

Twitter:@yamadaharuo1964

ウェブサイト:Webマガジン「ONTOMO」 音楽っていいなぁ、を毎日に。

京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。バーンスタインの生演奏が聴きたくて単身ニューヨークに。PMFの創設と同じく1990年からクラシック音楽に関する執筆活動を開始。著書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」や小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 / ツイッター演奏会日記」(以上アルファベータ)、「バロック・オペラ」(新国立劇場情報センター)ほか。バレエやミュージカルなどの舞台にも精通。趣味はヴィオラ演奏(最近、弾いていません。)、朝の連続ドラマ鑑賞、SNS投稿。

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現場の頻出語をランダムでご紹介!PMFのあいうえお ミニ
し:シーティング

シーティングとはオーケストラの席次(席の順番)である。
現在、PMFオーケストラのメンバーを決める審査が行われている。PMF2025アカデミー・オーディションには世界70ヵ国・地域から1,344人が応募し、デジタル化したPMF2015以降で過去最多となった。平均倍率は14〜15倍であるが、楽器によって競争率が異なる。

PMF2025 オーディション応募者数(楽器別)/合計1,344

7月初め、オーディションに合格したアカデミー生が札幌に到着する。翌日はオリエンテーション、集合写真の撮影などで午前中はあっという間に過ぎるだろう。昼食後、彼らには厳しい試練が待ち構えている。PMFオーケストラの席次を決めるシーティング・オーディションが始まるからだ。
オーディションは楽器ごとに非公開で行われ、審査員はウィーン・フィルとベルリン・フィルという“楽器の名手”で構成する前半の教授陣である。シーティング・オーディションは、本番がすべてのリアルな世界。涙を流すアカデミー生も少なくない。

PMFに参加するアカデミー生は才能があり、輝いている。夢に向かって自分との闘いを続けているからこそ、シーティングの結果を受け入れ、仲間を尊重し、言い渡された席でPMFオーケストラのメンバーとして最後まで自分を磨こうと決意する。
古代ギリシャの哲学者プラトンも言っている「自分に打ち勝つことが、最も偉大な勝利である」と。そのポジションでしかできないこと、学べないことがある。

When asked what the most difficult instrument in the orchestra is, Leonard Bernstein responded:“The second fiddle.I can get plenty of first violinists,but to find someone who can play the second fiddle with enthusiasm ? that’s a problem;and if we have no

オーケストラで一番むずかしい楽器は何ですか、
と尋ねられたとき、レナード・バーンスタインはこう答えた。

「第2ヴァイオリンだね。
ファーストを弾く人はたくさんいるけど、
情熱をもってセカンドを務める奏者を見つけられるか。
これが問題なんだ。

オーケストラに第2ヴァイオリンがいなかったら、
オーケストラにハーモニーは生まれない。」

 
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