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PMF Founded by Leonard Bernstein PMF MUSIC PARTNER
2024年11月 - vol. 114
 
PMF2025 アカデミー・オーディションポスター

世界の音楽家がこの夏、札幌に集結。
PMF2025 オーディション受付スタート!

パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(PMF)は、20世紀を代表する指揮者で作曲家のレナード・バーンスタインが1990年に創設した、若い音楽家を育てる国際教育音楽祭です。
PMFの特色は、毎年オーディションに合格したアカデミー生でPMFオーケストラを結成し、国や言葉、文化などの違いを強みに新しい感動を創ること。そして、一人ひとりが「PMFに参加して本当に良かった」と人生の様々な場面で実感し、PMFでの出会いと経験が「音楽を続ける力」となるように、インパクトやインスピレーションに満ちた教育プログラムを目指しています。
PMF2024に参加したアカデミー生に「過去に参加した他の音楽祭と比べてPMFはどうでしたか?」というアンケートを行ったところ、「他の音楽祭と比べて優れている(76.4%)」「音楽祭の参加は初めて(15.3%)」「他の音楽祭と同等である(8.3%)」となりました。この結果を踏まえ、世界の若手音楽家から“最初に選ばれる音楽祭”となるように、これからもベストを尽くします。

11月1日からオーディションの受付が始まりました。合格者はアカデミー生としてPMF2025に参加し、ウィーン・フィルやベルリン・フィルをはじめ世界最高峰のオーケストラ奏者から指導を受け、コンサートで共演することができます。
要項や課題曲などはリンクページでご確認いただけます。たくさんのご応募をお待ちしております!

 
PMF2025/第35回 パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌 2025年7月9日(水)〜 7月29日(火)/ドイツ音楽の神髄を魅せるマエストロ 首席指揮者 マレク・ ヤノフスキ / シューマン 交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」ほか/飛躍を遂げ、ふたたびPMFの舞台に/客演指揮者 カリーナ・ カネラキス/マーラー 交響曲 第1番 ニ長調「巨人」ほか/THE PMF CYCLE
 
 
新・バーンスタイン音楽の旅

PMF MUSIC PARTNER(メールマガジン)は、今月で創刊10年を迎えました。都合により、配信が不定期となる場合がありますが、これからもクラシック音楽の話題とPMFの最新情報をお届けしてまいります。読者の皆様、引き続き「ミュージック・パートナー」をよろしくお願いいたします。
さて、今回の「音楽の旅」は、クラシック音楽に関する評論・執筆活動が“生業”の山田治生さんによるPMF2024鑑賞レポートです。第一線で活躍する音楽評論家の耳と心に、PMFオーケストラの演奏はどう響いたのでしょうか。後半ではPMF2025で予定しているプログラム(一部)をご紹介します。

Journey 5

PMF2024 鑑賞レポート

Favorites 今夏のハーモニー・オブ・ピース
マンフレート・ホーネック(指揮)、エリアス・グランディ(指揮)、PMFオーケストラ/世界62ヵ国・地域から1,123人が応募したPMF2024アカデミー・オーディションの合格者85人 (平均年齢23.8歳)で結成/※このCDは非売品です。

PMF2024の首席指揮者はマンフレート・ホーネック、客演指揮者はエリアス・グランディであった。会期の前半にはドイツ出身の若きマエストロ、グランディが登場。2025年4月に札幌交響楽団の首席指揮者に就任する彼は、2004年にチェリストとしてPMFオーケストラに参加し、2012年にはコンダクティング・アカデミー生として研鑽を積んだ、PMFのOBである。
7月14日のPMFオーケストラ演奏会では、R. シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」(1919年版)が演奏された。グランディは、「ドン・ファン」を速めのテンポで鮮やかに描く。オーケストラは一体感があり、アンサンブルが良い。速いパッセージも弦楽器が上滑りしないでしっかりと鳴っている。長大なソロを吹いたオーボエは、個性的な音で、上手い。プロコフィエフでは、クララ=ジュミ・カンが独奏を務めた。カンは、音に張りと艶があり、しっかりと芯のある音を奏でる。この日の彼女の演奏には、抒情性よりも、明快さや強靭さが感じられた。オーケストラは、合わせるのが決して容易ではない作品だが、健闘し、充実した共演となった。
「牧神の午後への前奏曲」では、グランディが細やかな指揮を披露。そして音楽が高揚するところでは腕を大きく広げた。弦楽器が美しく、フルートも良かった。最後の「火の鳥」では、ライナー・キュッヒル(コンサートマスター)、ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン)、アンドレアス・ブラウ(フルート)、ジョナサン・ケリー(オーボエ)、サラ・ウィリス(ホルン)ら教授陣も演奏に参加。キュッヒルのリードはさすがであり、ケリーも素晴らしい音色を聴かせてくれた。グランディは、情景が目に浮かぶような、ビジュアル的な音楽を作り上げた。

会期の後半には、元ウィーン・フィルのヴィオラ奏者で、現在、ピッツバーグ交響楽団の音楽監督を務めるマンフレート・ホーネックが登場。7月30日のPMFオーケストラ東京公演では、モーツァルトのピアノ協奏曲第22番とマーラーの交響曲第5番が取り上げられた。モーツァルトの独奏はウィーン出身のティル・フェルナー。つまり、ウィーンと関わりの深い作曲家及び演奏家によるコンサートとなった。
モーツァルトでは、フェルナーは、優美で粒立ちのよいフォルテピアノのような音を奏でる。ハ短調の第2楽章での表現に深みを感じる。第3楽章は脱力した軽やかな演奏。オーケストラも、力むことなく、モーツァルトにふさわしい音。重要な木管楽器陣も上手い。
マーラーの交響曲第5番では、ホーネックがその箇所その箇所でのほしい音色(こだわり)を具現化。よほど厳格なリハーサルがなされたのであろう。弦楽器は、厚みも透明感もあり、多彩。金管楽器陣が見事。アンコールにR. シュトラウスの「ばらの騎士」からワルツが演奏された。
全体を通して、オーケストラの演奏は、コロナ禍前の高い水準に戻ったように感じられた。

 
Variations PMF2025のプログラムをご紹介

お願い

音源は無料試聴サービス(各トラック冒頭30秒・連続最大15分まで)です。機種や環境によっては、ご利用いただけない場合があります。あらかじめご了承ください。
制限なしで楽曲を楽しみたい方には、有料の会員登録(月額2,035円)をおすすめします。

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 二短調 作品47/アンドレ・プレヴィン指揮、アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン 、シュターツカペレ・ドレスデン/無料試聴サービス
写真:山田治生さん フィンランドの作曲家、シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、5大ヴァイオリン協奏曲の一つに数えられる名作。ムターの演奏はかなりユニークといえる。
冒頭をほぼノン・ビブラートの澄んだ音で開始し、そのあとだんだんと色や艶を増していく。第2楽章では弱音表現が印象的。北欧的な清澄な響きとロマンティックな情感。
マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」/レナード・バーンスタイン指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/無料試聴サービス
写真:山田治生さん マーラーの青春の歌というべき、交響曲第1番「巨人」。バーンスタインはマーラーの第1番を2度録音しているが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との1987年の録音は2度目のもの。青春を懐かしむようなところもあるが、全体的には、生気に満ち、永遠の青年を思わせる颯爽とした若々しい演奏。
シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」 /レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/無料試聴サービス
写真:山田治生さん バーンスタインは、第1回PMFでシューマンの交響曲第2番を指揮したように、シューマンに対して特別な思いを持っていた。この1984年のウィーン・フィルとの録音では、バーンスタインのシューマン愛とともにウィーン・フィルの味わい深い音色が満喫できる。マーラーの交響曲のようなスケールの大きな演奏。
R. シュトラウス:交響詩「死と変容」作品24/アンドリス・ネルソンス指揮、ボストン交響楽団/無料試聴サービス
写真:山田治生さん R. シュトラウスの「死と変容」は彼の初期の作品。楽曲では、死の床にいる病人が描かれる。そこでは生と死が壮絶な戦いを繰り広げ、結局、病人は、死を迎えるが、同時に変容(浄化)される。ネルソンスとボストン響の演奏は、オペラのようにドラマティックで、シュトラウスの豊潤な管弦楽法を見事に再現。
写真:山田治生さん 山田 治生Haruo Yamada

Twitter:@yamadaharuo1964

ウェブサイト:Webマガジン「ONTOMO」 音楽っていいなぁ、を毎日に。

京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。バーンスタインの生演奏が聴きたくて単身ニューヨークに。PMFの創設と同じく1990年からクラシック音楽に関する執筆活動を開始。著書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」や小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 / ツイッター演奏会日記」(以上アルファベータ)、「バロック・オペラ」(新国立劇場情報センター)ほか。バレエやミュージカルなどの舞台にも精通。趣味はヴィオラ演奏(最近、弾いていません。)、朝の連続ドラマ鑑賞、SNS投稿。

ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)とは

クラシックに特化した定額制のインターネット音楽配信サービスです(パソコン/スマートフォン対応)。月額1,850円(+税)で全曲(約270万曲)が聴き放題。「音楽の旅」を満喫できるNMLを一度お試しください!
 
 

読者プレゼント
オリジナルCDを抽選で20名様に!

PMFオーケストラの熱演と会場の熱気を収録したオリジナルCDを卓上カレンダーとセットで20名様にプレゼントします。応募方法をご確認のうえ、12月16日(月)必着で奮ってご応募ください!

Harmony of Peace vol. 33 Pacific Music Festival 2024/マンフレート・ホーネック(指揮)/エリアス・グランディ(指揮)/ PMFオーケストラ(管弦楽)
CD1 収録曲/1:R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品20/2‐4:プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19/5‐11:ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)/CD2 収録曲/1-5:マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調

応募締切 2024年12月16日(月)

件名「読者プレゼント」

① お名前
② 郵便番号
③ ご住所(プレゼントのお届け先)
④ 電話番号
⑤ 35回目となるPMF2025に応援メッセージをお願いします。

上記5つをご記入のうえ、
musicpartner@pmf.jp にメールでご応募ください。

※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
※ご応募いただいた方の個人情報は、抽選および発送以外には使用しません。

 
現場の頻出語をランダムでご紹介!PMFのあいうえお ミニ
ち:チューニング

チューニング(tuning)とは、音楽において楽器の音の高さを合わせること。
PMFオーケストラの場合、いくつかパターンがあるが、基本は「コンマス」がオーボエ奏者に合図して基準音であるA音(ラ)を出してもらい、全体をチューニングする。
A音の高さ(ピッチ)は周波数の単位であるHz(ヘルツ)で表され、数値が上がるほど音程が高くなり、下がると音程も低くなる。また、オーケストラのピッチは国や地域などで異なる。アメリカは440Hz、日本は442Hz、ヨーロッパは高めで444〜446Hzという具合だ。440Hzの音とは1秒間に440回の振動を生み出す音である。
「楽壇の帝王」と呼ばれたカラヤンは446Hzを好み、ウィーン・フィルは447Hzで演奏していた時代もあった。PMFオーケストラは442Hzで合わせている。

ピッチで作品の世界観は変わる。指揮者やソリストをはじめプロの音楽家は音だけでなく、心と体もチューニングして世界の舞台に臨む。
 
 
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