審査は順調。キラキラ光る“原石”が多数!
PMF2024 アカデミー・オーディション概況
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1月17日(日本時間正午)に受付を終了したPMF2024アカデミー・オーディションには、62ヵ国・地域から1,123人からの応募がありました(昨年は68ヵ国・地域から1,090人)。
現在、3月のアカデミー・メンバー発表に向けて審査が順調に進んでおり、今シーズンもたくさんの“原石”がキラキラと光っているようです!
倍率が高い楽器は、テューバ、トロンボーン、フルート、クラリネット、ホルン。受験者の国籍は、アメリカ、日本、韓国の順で多くなっています。
この難関オーディションを突破したアカデミー生で結成するのがPMFオーケストラ。創設者レナード・バーンスタインの「夢と情熱」、彼の願いである「音楽と平和」を体現するPMFの主役であり、PMFの原点です。この夏、メンバーも響きも、すべてが新しいPMFオーケストラにどうぞご期待ください!
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かつてPMFオーケストラは、毎年90人〜100人で結成していました。新型コロナや経済などの影響で近年は縮小傾向が続いており、昨年のアカデミー生は74人でした。
プロを目指す世界中の若い音楽家にチャンスを与え、クラシック音楽の未来を創るために、PMF組織委員会ではアカデミー生の数を100人規模にすることを目指しています。
実現すれば、より幅広いプログラムに挑戦することができますし、世界の楽壇でより多くのPMF修了生が活躍することができます。
現在、審査中ですが、今年は昨年よりもアカデミー生を10人程度増やすことが目標です。
アカデミー生の渡航費は1人あたり3,000ドル程度かかります。また、PMFオーケストラが練習と本番で使用するレンタル楽譜などの教材費として100万円程度が必要です。PMFの運営はコロナ禍によるスポンサーの減少に円安と物価高騰が追い打ちをかける苦しい状況となっています。
そうしたことから、今年のPMFオフィシャル・サポートにおいても、個人の皆様からのご寄付を募りたいと考えております。目標額は400万円、その全額をPMF2024で学ぶアカデミー生のために使わせていただきます。
国際教育音楽祭PMFの目的は、次代を担う若手音楽家を育てること。PMFの主役、PMFの原点に、多くの皆様のあたたかいご支援をお願い申し上げます。
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「音楽の旅」は、音楽評論家の山田治生さんによる「小気味よいエッセイ」と「選曲の妙」を楽しみながら、レナード・バーンスタインの人生と音楽を知る連載企画です。
2月9日の読響定期演奏会(後半の開始)で、指揮者の山田和樹氏の口から小澤征爾氏の訃報を聞いた山田さん。「小澤征爾氏が亡くなって、悲しいというよりも、心にポッカリと大きな穴が空いたような気持ち」と現在の心境を語っています。
クラシック音楽界は巨匠を、日本は世界のオザワを失いました。小澤氏の偉大な功績に心から敬意と感謝を申し上げるとともに、ご冥福をお祈りいたします。きっと向こうでは、バーンスタインとも再会するのではないでしょうか。二人の魂と音楽は永遠です。
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お知らせ
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以下のナクソス・ミュージック・ライブラリーの音源は無料試聴サービス(各トラック冒頭30秒・連続最大15分まで)です。機種や環境によっては、ご利用いただけない場合があります。あらかじめご了承ください。 制限なしで楽曲を楽しみたい方には、有料の会員登録(月額2,035円)をおすすめします。
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Journey 3
小澤征爾とレナード・バーンスタイン
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A favorite 心に響き、残る、本命の1曲
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武満徹は、「ノヴェンバー・ステップス」でオーケストラと琵琶と尺八を共演させたが、安易に日本と西洋の音楽を融合させず、異なるものとして描き、音楽のダイバーシティ(多様性)を示した。これは世界初演者・小澤征爾が1989年にサイトウ・キネン・オーケストラと再録音したもの。 |
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25歳の小澤征爾は、1961年4月、ニューヨーク・フィルの副指揮者に就任した。小澤にとって初めての“定職”であったが、ニューヨーク・フィルで音楽監督バーンスタインのアシスタントを務めるのがその仕事であった。そして、1961年4月のニューヨーク・フィルの日本ツアーに帯同。バーンスタインやニューヨーク・フィルの楽団員とともに羽田空港に降り立った。ニューヨークに戻った小澤は、ニューヨーク・フィルの3人の副指揮者の一人として、リハーサル、本番、レコーディングに立ち会った(そのなかにはバーンスタインとグールドとの共演もあった)。しかし、いくら名門ニューヨーク・フィルとはいえ、いつまでもアシスタントを務めているわけにはいかず、小澤は62年5月でニューヨーク・フィルを離れた。
その後、小澤は1965年にカナダのトロント交響楽団の音楽監督となった。北米の有力なオーケストラの一つである。その頃には、小澤は、新進気鋭のマエストロとして世界的に注目されていた。1966年にはベルリン・フィルの定期演奏会にデビューし、ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルと初共演している。
1967年、バーンスタインが音楽監督を務めているニューヨーク・フィルが創立125周年を迎え、それを記念して武満徹に新作が委嘱され、「ノヴェンバー・ステップス」が作曲された。そして同年11月に、ニューヨークでの「ノヴェンバー・ステップス」の世界初演の指揮を担ったのは、もちろん、小澤であった。この成功により、武満=小澤のコンビは世界的にブレークすることになる。
小澤にとってバーンスタインは、最初はボス(上司)であったが、小澤が独り立ちしてからは、完全に同業の仲間と思っていたに違いない。いくつになっても小澤にとって、カラヤンは「カラヤン先生」であり、バーンスタインは「レニー」であった。小澤は、1970年にサンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任し、1973年にニューヨーク・フィルと並ぶアメリカの名門、ボストン交響楽団の音楽監督となった。短いサンフランシスコ響時代、小澤は、バーンスタインの「ウエストサイド・ストーリー」からシンフォニック・ダンスを録音している。若き小澤の明るくノリの良い演奏が聴ける。
その後、1984年に恩師・齋藤秀雄没後10周年を記念してひらかれた「齋藤秀雄メモリアル・コンサート」で臨時編成された「桐朋学園メモリアル・オーケストラ」をもとに、小澤が中心となって、サイトウ・キネン・オーケストラが結成された。そして、1992年には、松本で第1回となる「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が開催された。パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)が創設されたのが1990年であることを考えると、1990年代初頭に、バーンスタインと小澤征爾が、現在の日本を代表する2つの音楽祭を生み出したといえる。なお、武満徹は1992年にサイトウ・キネン・フェスティバル松本のオープニングのために「セレモニアル」を作曲し、1994年にPMFのレジデント・コンポーザーを務めた。
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Variations |
達人が140字で解説する「世界のオザワ」 名演5選 |
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1972年、小澤征爾&サンフランシスコ響は、ドイツ・グラモフォンへのデビュー盤として、チャイコフスキー、プロコフィエフ、ベルリオーズの「ロメオとジュリエット」とともに、20世紀の「ロメオとジュリエット」である「ウエストサイド・ストーリー」のシンフォニック・ダンスを録音したのであった。 |
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ボストン響との唯一のバーンスタイン作品の録音はパールマンとの「セレナード」。名ヴァイオリニスト、パールマンは小澤の盟友の一人だった。このバーンスタインの協奏曲仕立ての名作で甘美な音色を披露。二人は、このほか、ヴィエニャフスキー、ベルク、ストラヴィンスキーの協奏曲も一緒に録音している。 |
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小澤とフランス音楽の相性の良さは天性のものといえるだろう。生き生きとしていて、色彩に満ちている。ここに収められているシャブリエ、グノー、トーマ、オッフェンバックらフランスの管弦楽曲には、そんな小澤の魅力が最良の形で表れている。小澤&ボストン響の膨大な録音のなかでもオススメの1枚。 |
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サイトウ・キネン・フェスティバル松本の初年度である1992年の録音。チャイコフスキーの「弦楽セレナード」とモーツァルトの「ディヴェルティメント」は、小澤征爾及びSKOのメンバーが齋藤秀雄から直接指導を受けたレパートリーである。名手揃いのSKOの弦楽器の魅力が満喫できる。 |
京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。バーンスタインの生演奏が聴きたくて単身ニューヨークに。PMFの創設と同じく1990年からクラシック音楽に関する執筆活動を開始。著書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」や小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 / ツイッター演奏会日記」(以上アルファベータ)、「バロック・オペラ」(新国立劇場情報センター)ほか。バレエやミュージカルなどの舞台にも精通。趣味はヴィオラ演奏(最近、弾いていません。)、朝の連続ドラマ鑑賞、SNS投稿。
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ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)とは
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クラシック音楽ファンやプロフェッショナルに人気の“元祖サブスク”音楽配信サービス(月額2,035円)です。半年プラン(11,825円)と年間プラン(22,550円)で割安に。NMLなら「世界のオザワ」の名演も存分に堪能できます! |
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[from Nick] は、PMFのアーティスティック マネージャー、ニック・エイカーズによるコラムです。今回は「音楽」「言葉」「平和」がテーマの三部作を一挙公開します!
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ミュージック・パートナー(PMF MUSIC PARTNER)は、2014年11月に創刊した月刊メールマガジン。PMFとつながる“情報の定期便”がコンセプト。創刊のきっかけは、同年8月、バーンスタインとオザワが、その発展に尽力した米タングルウッド音楽祭を視察したことだった。
以来、PMFの最新情報とクラシック音楽の話題を月に一度のペースで配信している。コロナ禍などで4回ほど休刊したが、今年の11月に創刊10年を迎える予定。
公式ウェブサイトの特設ページではバーンスタインのお気に入りをデザインし、時を重ねて熟成するウイスキーのように創刊からの軌跡を公開している。
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「クラシック音楽が好きで、PMFに関心を寄せる読者は、同じ時代を生きる大切な仲間」という想いを込めて、約10年前、このメールマガジンは「PMF MUSIC PARTNER」と命名された。
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多くの読者からいただくメッセージは、ミュージック・パートナーの宝物である。 |
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