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PMF2024 アカデミー・オーディション受付開始!
オーディションに合格した世界の若手音楽家で結成するのが「PMFオーケストラ」です。11月1日からPMF2024オーケストラ・アカデミーのオーディション受付が始まりました。 1990年の創設以来、PMFで学んだアカデミー生は世界78ヵ国・地域から延べ約3,800人。現在、修了生は200を超えるオーケストラで活躍しています。 PMFの経験を将来のキャリアで活かしてみませんか?PMFの感動は音楽人生できっと宝物になるはず!たくさんのご応募をお待ちしております。
PMF2024 アカデミー・オーディション要項
参加日程 2024年7月5日(金)から 7月31日(水)まで 受験資格 2024年7月1日(月)時点で満18歳以上29歳以下の方 応募締切 2024年1月17日(水)日本時間正午
世界最高峰のオーケストラとして有名な、ウィーン・フィルやベルリン・フィル、アメリカ名門楽団のメンバーで構成。期間中は楽器ごとにアカデミー生の演奏指導を行い、本番ではプレイヤーとして共演します。
「音楽の旅」は、音楽評論家の山田治生さんによるエッセイと選曲で、レナード・バーンスタインの人生と音楽を知る連載企画です。 第2回は、PMF2024でオーケストラが演奏するプログラムを中心にご紹介します。 クラシック音楽は「同じ楽曲でも、同じ演奏がない」のが魅力のひとつ。指揮者やオーケストラ、ソリストなどによって作品の印象、感じ方は大きく変わります。芸術の秋、文章と録音でバーンスタインの名演を味わいましょう!
お願い
音源は無料試聴サービス(各トラック冒頭30秒・連続最大15分まで)です。機種や環境によっては、ご利用いただけない場合があります。あらかじめご了承ください。制限なしで楽曲を楽しみたい方には、有料の会員登録(月額2,035円)をおすすめします。
Journey 2
バーンスタインの名演を味わう
A favorite 心に響き、残る、本命の1曲
数多いバーンスタインのマーラーのディスクのなかでも、私が特に好きなのはウィーン・フィルとライブ録音した交響曲第5番(1987年9月)である。とりわけ終楽章は本当に素晴らしいと思う。最後に金管楽器が勝利の歓喜を表すようなコラール(711小節目から、13分28秒あたりから)を吹奏するが、ここは、それに合わせてまさに一丸となって細かい音符を奏でている弦楽器群及び木管楽器群に注目したい。 多くの演奏では、弦楽器と木管楽器の細かい動きは金管楽器にかき消されてしまうが、ウィーン・フィルの弦楽器と木管楽器はそれが歌であるかのように一音一音(とても速いが)歌い込む。そしてペザンテに入る2小節前(729小節、13分48秒あたり)からのリタルダンド(テンポが少しずつ遅く変化する)では、本当に指揮者とオーケストラとが息を合わせて一体となっていることを感じる。バーンスタインとウィーン・フィルの20年以上の付き合いゆえの合一感といえるだろう。そして、ペザンテ(731小節目、13分50秒あたり)からの弦楽器群の音符の刻みの長さを変化させながらのアンサンブルの見事さ。まさにウィーン・フィルの底力に圧倒される。 マーラーの交響曲第5番では、ハープと弦楽器群によって演奏される第4楽章「アダージェット」がヴィスコンティ監督の映画「ヴェニスに死す」(1971年公開)で使われたこともあり、よく知られているが、バーンスタインの指揮する「アダージェット」といえば、1968年6月、ロバート・ケネディ(ジョン・ケネディ大統領の実弟)が暗殺され、ニューヨークの聖パトリック大聖堂で行われた彼の葬儀での演奏が思い出される(録音も残っている)。また、1987年11月、エイズ撲滅運動に協賛してニューヨークのカーネギーホールで開催されたチャリティ・コンサート「ミュージック・フォー・ライフ」でもバーンスタインはマーラーの「アダージェット」を取り上げた(これもかつてCD化された)。エイズの犠牲者を追悼する意味があったに違いない。ともに祈りのような演奏である。 マーラーは、交響曲第5番を創作している期間にアルマと出会い、結婚した。マーラーと親交のあった指揮者のウィレム・メンゲルベルクは「このアダージェットは、グスタフ・マーラーの、アルマへの愛の表明であった!マーラーはアルマに手紙の代わりにその楽譜を送った」と書いている。その真偽は定かではないが、私も、「アダージェット」でマーラーはアルマへの愛を描いていたように思う。 「アダージェット」に、愛を感じても、祈りを感じても、あるいは「ヴェニスに死す」のような頽廃を感じても良い。実際の演奏会では、先入観にとらわれずにこの美しい「アダージェット」を聴くことをオススメします。
京都市生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒業。バーンスタインの生演奏が聴きたくて単身ニューヨークに。PMFの創設と同じく1990年からクラシック音楽に関する執筆活動を開始。著書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」や小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 / ツイッター演奏会日記」(以上アルファベータ)、「バロック・オペラ」(新国立劇場情報センター)ほか。バレエやミュージカルなどの舞台にも精通。趣味はヴィオラ演奏(最近、弾いていません。)、朝の連続ドラマ鑑賞、SNS投稿。
ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)とは
ライブや音楽祭などのイベント終了後に主催者が制作する、ハイライト場面を集めた映像のことをアフタームービー(aftermovie)と言う。 PMFも初の試みとして、今夏の印象的なシーンを約4分間に凝縮した「PMF2023アフタームービー」を制作し、公式ウェブサイトとSNSで公開した。冒頭で登場する札幌芸術の森は、ピクニックコンサートの朝にドローンで空撮したもの。
札幌でも記録的な猛暑となった今年の夏。この映像は、連日の暑さにも負けず、ひたむきに音楽と向き合い、駆け抜けたアカデミー生たちの情熱の軌跡である。
公益財団法人 パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会